【完全解説】大学入試の種類とそれぞれの入試方法のメリット・デメリット

大学受験

高校入試とは比べ物にならないくらい複雑な大学入試。

何から手を付けたらいいか、どの方法で受験したらいいのか途方に暮れてしまいますよね。

そこで今回は現役高校教師の筆者がわかりやすく現状の大学入試についてゼロからすべて説明します!

※本ページ内の情報は2023年3月時点のものです。正確な情報は必ず各大学の公式発表を参考にしてください。

日本における大学の種類と大学数

国立大学

国(国立大学法人)が設置した大学。全国に86校あります。

公立大学

都道府県(市)が設置した大学。全国に101校あります。

私立大学

学校法人または株式会社が設置した大学。全国に620校あります。

入試方法

大学入試には大きく分けて

 一般選抜

 学校推薦型選抜

 総合型選抜

の3種類があります。

一般選抜

大学入試において、

主に学科試験の点数で合否を決める入試を

一般選抜

と呼びます。


メリット

  • 受験する資格さえあれば誰でも出願(受験)できる
  • 複数の大学を受験して、結果を見てから進学先を決められる
  • 出願書類が一番簡素で、科目の勉強に専念する時間を確保できる

デメリット

  • 受験が年明けまで続く
  • 複数校受験すると費用がかさむ

国公立大学の一般選抜

国公立大学を一般選抜で受験するためには、
1月12日以降の最初の土日で行われる

大学入学共通テスト」を受験します。
(出願は9月下旬から10月上旬)

その得点率に応じて各大学に出願し、
2月下旬以降に各大学で行われる

個別学力試験」を受験することになります。
(出願は1月下旬~2月上旬)


国公立大学の場合は、この
大学入学共通テスト」+「個別学力試験
による選抜方法を


「一般選抜」と呼んでいます。



一般選抜には

2月25日前後に実施される【前期日程】

3月5日前後に実施される【中期日程】

3月14日前後に実施される【後期日程】

の3つの日程があります。


国立大学は「大学入学共通テスト」で
5教科(英・国・数・理・社)

個別学力試験」で
2~3教科を課されるのが一般的です。


公立大学は「大学入学共通テスト
で3~5教科

個別学力試験」で
2~3教科を課されるのが一般的です。



私立大学の一般選抜

私立大学の一般選抜入試は基本的に
個別学力試験
のことを指しますが、合否判定の方法は

1、「個別学力試験」のみのパターン
 (「一般選抜」)

2、「大学入学共通テスト」+「個別学力試験」のパターン
 (「共通テストプラス型選抜」)

3、「大学入学共通テスト」のみのパターン
 (「共通テスト利用型選抜」)

の3つに大別されます。
( )内の呼び方は大学によって違います。



私立大学の「個別学力試験」は

 受験する日

 受験する会場

 受験する科目数

などを選べることが多く、
「~日程」「~方式」など、

大学によってさまざまな名称がついています。


たとえば、

2月に行われる前期日程
(出願は12月末~1月下旬)を
「共通テスト利用型選抜」
で受験し、

3月に行われる後期日程
(出願は2月中旬~2月下旬)を
「個別学力試験」で受験するなど、

出願も複数回可能です。


さらに、国公立大学と違って独自の日程で
試験があるので

同時期に複数の大学を受験することも

同じ大学を何回も受けることも

可能となります。

学校推薦型選抜

大学入試のうち、
学校長の推薦によって出願する方法を

学校推薦型選抜

と呼びます。

メリット

  • 学校が推薦してくれるので最初から信頼されている
  • 一般選抜よりも早く合否がわかるので受験が早く終わる
  • 受験費用が抑えられる
  • 学科試験以外の点も考慮してくれる

デメリット

  • 高校内での選考を受けなければ受験できない
  • 他の受験生も推薦されているのでアピールポイントが必要
  • 基本的に1校しか受験できない(例外あり)
  • 志望理由書などの書類準備が多い
  • 面接や小論文などがある場合、学科試験の勉強時間が削られる

国公立大学の学校推薦型選抜

国公立大学の学校推薦型選抜は

提出書類と
各大学の試験」で合否を判定する
推薦Ⅰ

提出書類と
大学入学共通テスト」と
各大学の試験
で合否を判定する推薦Ⅱ

があります。


同じ大学でも文学部は推薦Ⅰで
工学部は推薦Ⅱなどというケースもあります。

出願期間や提出書類、試験の内容も
さまざまですので、

学校推薦型選抜での受験を考える場合
早期から対策をしておく必要があります。

私立大学の学校推薦型選抜

私立大学の学校推薦型選抜はおもに

提出書類と「各大学の試験

で合否を判定します。


そして私立大学の推薦入試には

 一般推薦

 指定校推薦

 スポーツ推薦

などの種類があります。

一般推薦

基準を満たしている人が学校から推薦されたら受験できる。

提出書類と「各大学の試験」で合否を判定する。

指定校推薦

大学が過去の入学実績のある高校を指定して

指定された高校からしか推薦できない。

大学が信頼している高校からの推薦なので

受験できた時点でほぼ合格できる。

提出書類と「各大学の試験」で合否を判定する。

スポーツ推薦

大学に強化したいスポーツがある場合

その競技の実績を基準にして学校から推薦する。

事前に大学の指導者(監督など)から

合格を確約されるケースもある。

提出書類と「各大学の試験」で合否を判定する。

総合型選抜

大学入試において、各大学の学部や学科が

それぞれの特色に応じたさまざまな方法で

入学者を決定する入試が

総合型選抜

です。

総合型選抜の出願は学校推薦型選抜とは違い

高校の選考を受ける必要はありません。

メリット

  • 出願の基準を満たせばだれでも受験できる
  • 一般選抜よりも早く合否がわかるので受験が早く終わる
  • 受験費用が抑えられる
  • 学科試験以外の点も考慮してくれる

デメリット

  • 出願できる人が多いので倍率が高くなることがある
  • 高校時代の実績や論文などの提出を求められることがある
  • 基本的に1校しか受験できない(例外あり)
  • 志望理由書などの書類準備が多い
  • 面接や小論文などがある場合、学科試験の勉強時間が削られる

国公立大学の総合型選抜

国公立大学の総合型選抜は

提出書類と「各大学の試験
で合否を判定するものと

提出書類と
大学入学共通テスト」と
各大学の試験
で合否を判定するものがあります。
(一部の国立大学など)

試験の内容もさまざまで、

 講義を聞いて小論文を書く

 英語の面接

 特定のテーマに関するプレゼン

など、大学の特色に応じた能力を持つ入学生を選ぶものとなっています。


高校時代の早いうちから希望大学の特色を見極めて対策しておくことが重要です。


私立大学の総合型選抜

私立大学の総合型選抜はおもに

提出書類と「各大学の試験」
で合否を判定します。

各大学・学部の特色に合う学生を選抜するほか

受験生の高校時代における
勉強以外のアピールポイント
を重視する傾向があります。

学校推薦型選抜にも共通しますが

 ボランティア活動

 部活動

 探究活動

 資格取得

などの授業以外の活動を充実させることを
意識して高校生活を送りましょう。

おわりに

いかがだったでしょうか?

今回は日本の大学と大学入試の種類
メリットやデメリットについてお話しました。

近年の大学入試は複雑化していますが
そのぶんあなたに合った
受験方法があるはずです。

それぞれの入試方法の詳しい解説と対策についてはリンクの投稿をご覧ください。

素敵な大学生活のため、そして素敵な人生を送るために大変ですけど頑張っていきましょう。

応援していますよ!

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