【共通一次→センター試験→共通テスト】大学入学共通テストのしくみをわかりやすく解説

大学受験


以前は「大学入学センター試験」と呼ばれていたものが「大学入学共通テスト」という名称に変わって3年。大学入試は複雑になっており、用語も難しくてわかりにくいですよね。

今回は高校生に対して実際に進路指導を行っている筆者が、「大学入学共通テスト」についてわかりやすく解説します!

※本ページ内の情報は2023年3月時点のものです。正確な情報は必ず各大学の公式発表を参考にしてください。

大学入学共通テストとは

「大学入学共通テスト」とは、

高校での学習における基本的な内容

どの程度身についているのかを
判定するための試験です。


2023年の受験者は

およそ51万人であり

かなり規模の大きな試験です。


点数の内訳は

文系の場合

国語数学①数学②英語R英語L社会①社会②理科
200点100点100点100点100点100点100点100点

理系の場合

国語数学①数学②英語R英語L社会理科①理科②
200点100点100点100点100点100点100点100点

となっています。

現行の「大学入学共通テスト」は

すべてマークシート方式

です。

なぜ共通テストがあるのか?

ではなぜ、このように大がかりな
試験をするのでしょうか?

それにはおもに4つの理由があります。

大学の負担軽減

各大学でも「個別学力試験」
と呼ばれる試験を実施しますが、

事前に共通テストで基本的な学力を
測定しておくことで、

大学側は自分の学校の特色に合わせた
問題だけを出題することができます。

受験者の一次選抜

人気のある大学には多くの受験生が
集まることがありますが、
会場の規模によって受験者の受け入れ
には限度があります。

また、採点業務なども大変になるため、
ある一定以上の希望者がいる場合は
「大学入学共通テスト」の得点によって
一次選考という形で受験できる人を
制限する場合があります。
(「足切り」と言います)

一発勝負を避ける

人生をかけた受験が一回の筆記試験だけで
決まってしまうのは、

当日の調子に左右されすぎてしまうので、
受験生の本当の実力をより把握するために

二回の試験で合否を判定している
という考え方もできます。

出願前に合格可能性を検討できる

「大学入学共通テスト」が終わると、
ベネッセや河合塾といった進学情報を提供する企業が、

過去のデータやその年の自己採点集計データから
各大学の合格ラインを予想し、

受験者に志望校の合格可能性を提示します。

受験者はその情報を見て、
どの大学を受験するか決めることができます。

共通テストのスケジュール

出願

「大学入学共通テスト」の出願は
9月下旬~10上旬です。

3教科以上受験する場合は
18,000円

2教科以下受験する場合は
12,000円

の検定料がかかります。

また、成績通知(4月以降)
希望する場合は追加で
800円が必要です。

point

・9月に出願する時点で、どの科目を受けるか決めておかなければならない(=自分の志望大学に出願できる科目を調べておかなければならない)。

・共通テスト出願後に内容の確認はがきが届く。それ以降は受験内容の変更はできない

・申し込んでいた科目を当日受験しないということは可能

・受験会場は通っている高校のある都道府県(浪人生の場合は住所のある都道府県)の大学になる。

・願書は受験会場となっている大学でもらうことができる。

・共通テストの会場は受験票が届いたときに記載してある場所になる。

受験日

「大学入学共通テスト」は毎年
1月12日以降の最初の土日
実施されます。
(2024年は1月13日、14日)

1日目は文系科目

教科地歴公民国語外国語
科目世界史A
世界史B
日本史A
日本史B
地理A
地理B
現代社会
倫理
政治経済
倫理・政治経済
国語英語
ドイツ語
フランス語
中国語
韓国語
試験時間60分×2
or
60分×1
80分リーディング80分
リスニング60分

2日目は理系科目

教科理科①数学①数学②理科②
科目物理基礎
化学基礎
生物基礎
地学基礎
数学Ⅰ
数学Ⅰ・A
数学Ⅱ
数学Ⅱ・B
物理
化学
生物
地学
試験時間60分60分60分60分×2
or
60分×1

が実施されます。

自己採点

自分が共通テストで何点とれたのかは
4月になるまでわかりません

なので共通テスト後に自己採点をして、
その結果をベネッセや河合塾といった

進学情報を提供している企業に送り、

その企業が集約したデータから
その年の平均点合格ライン
予想を入手し、出願する大学を
決定します。

50万人以上が受験する
共通テストにおいては
1点違うと順位が
3000番くらい変わるので
正確な自己採点が求められます。

傾斜配点と科目選択

各大学は、自分の大学の特色に応じて合否判定に使用する「大学入学共通テスト」の科目を設定したり、得点割合を変更したりすることができます。

例えば、A大学は共通テストの5教科7科目を900点満点から450点満点に圧縮し、自分の大学で400点分の入試を行い、共通テストと個別学力試験の合計850点満点のうち上位の者から合格者を決定していきます。

それに対してB大学では共通テストを1000点にして、自分の大学で200点分の試験を行い、1200点満点で合格者を決定するということが可能です。

これを「傾斜配点」と呼びます。

また、共通テストのうち高得点だった3科目で合否を判定する大学や、英語ともう一つ好きな科目で合否判定をするなど、各大学は自校の特色に合わせて科目を設定することもできます。

自分の得意科目や共通テストの得点に応じて合格可能性のより高い大学を受験することができます。

まとめ

「大学入学共通テスト」は大学入試改革の流れを受けて2021年に始まりました。それまで行われていた「大学入学センター試験」と大きく変わった点は、平均点が低くなったということです。それは各大学における入試を多様化させるために、一次選考としての機能を向上させることが目的だと思われます。「高大接続改革」とも呼ばれますが、国は入試を変えることで高校現場における教育の在り方も変えようとしています。時代の流れに対応しつつ自分の志望校への合格を勝ち取るためには、入試のしくみや求められている能力についてしっかりと理解することが必要です。このサイトでは、今後も受験や高校教育に対する最新の情報を提供していきますので、ぜひ他の記事も読んでみてください。入試の方法は多様化、複雑化していますが、それだけにあなたの強みを生かす受験の方法がきっと見つかるはずです。応援していますよ!